生涯現役「生活支援」就労セミナーレポート
2017年3月10日(金)、温かな春の陽気の中29名の受講生をお迎えして、生涯現役「生活支援」就労セミナーを開催いたしました。(於:パレット柏、主催:柏市生涯現役促進協議会、共催:柏市社会福祉協議会)
セミナーでは、まず初めに生涯現役促進地域連携事業の主管である柏市福祉政策課の吉田より、当事業の主旨について説明申し上げた後、柏市高齢者支援課の前原那波氏より「新しい総合事業と、これからの生活支援体制整備」のテーマでご講演いただきました。柏市の高齢化の現状についてデータやグラフをもとに分かりやすく説明された後、平成27年の介護保険法の改正にともなう総合事業(生活支援体制整備事業)の展開による、住民主体の生活支援(地域支えあい)の概要についてお話いただきました。高齢化の現状や柏市の年齢構成の予想等、具体的なデータの数字を目にして、受講生の皆様の関心の高まりを実感しました。
前原氏のご講演を受けて、事務局の二瓶より、地域の「支えあい」について情報提供をいたしました。二瓶は、柏市で実施されている生活支援体制整備事業の中で、“地域支えあい推進員(生活支援コーディネーター)”として西原地域を担当しています。柏市内全域で地域支えあいの取り組みが始まっていること、地域の多様な関係者による支えあい会議の実施、西原地域では約5000世帯に支えあい活動についてのアンケートを配付し、その集計結果をもとに具体的な支えあい活動の立ち上げに向けて話し合っていること等をご紹介しました。
次に生活支援の体験談として、生活支援グループ「暮らしの支援えんがわ」の今村靖子様より、団体立ち上げから活動の実際について、スライドを使ってご紹介いただきました。生活支援講座を受講したことがきっかけとなりグループができ、自分たちで活動の幅を広げてこられたお話は、身近な実例として大変参考になりました。その後メンバー4名の方々に登壇いただき、インタビュー形式で、さらに詳しくお話をうかがいました。それぞれに異なった経歴をお持ちの方が、家事支援や公園清掃など生活支援活動にチャレンジされてとうかがって、受講生の皆様も刺激を受けたご様子でした。
そして、グループワーク。自己紹介から、セミナー受講の動機、講演や体験談を聞いての感想など、各グループともすっかり打ち解けて会話が弾んでいました。
お昼休みをはさんで午後のスタートは、タイムストック柏の会代表・柏市非営利団体連絡会代表の堀田きみ氏より、「生活支援活動の心得・現場マネジメント」についてご講演いただきました。おたがいさまの気持ちによる地域の助けあい団体の精神、たすけあい活動(生活支援活動)の内容、生活支援サービス提供者の心得や、生活支援サービス提供者に求められるもの、について事例を交えてお話いただき、実地の体験に基づく「心得」は、いずれも大事であると感じられました。たすけあい団体の運営についてのノウハウも、ニーズの把握やクレーム対応、他団体との連携等詳しくご説明いただき、その中で「(携帯)電話一本で、活動ができます」とお話されたのが印象的でした。
続いて、2回目のグループワーク。柏市社会福祉協議会・生活支援体制整備事業グループリーダー山口利史氏より、あなたの力が活きる「支えあい」をテーマに、柏市内団地に住む高齢者の個別事例をご紹介いただき、各グループで意見交換を行いました。発表の時間では、「昔は近所で助け合うのが当たり前だったが、最近は希薄になっている」「こういう事例は、現実に身近にもある」などの感想が寄せられました。山口氏からのまとめとして、ソーシャルサポートの中で、情報や手段のサポートは専門職が担えるところではあるが、情緒的・評価的サポートは身近な人同士のつながりの中で育まれる可能性があるので、これから生活支援活動を始める方々に覚えておいていただきたい、とコメントがありました。
休憩をはさんで、生活支援職能講座や求人に関するさまざまな情報をご提供しました。(一般社団法人セカンドライフファクトリー矢冨直美氏、柏市シルバー人材センター籔由紀子氏、柏市社会福祉協議会平野いずみ氏、NPO法人住まいるヘルプ東邦義氏、家事代行サービス プレジール安田尚義氏)多種多様な、活動や仕事の情報にふれることができました。
閉会後、情報提供をいただいた各団体による質問・入会受付コーナーを設置して、受講生の皆様が個別に直接相談できる時間を設けました。当セミナーが、新たな活躍の場への一歩となることを願いつつ、終了いたしました。